相続財産と不動産について知っておくべきこと

相続財産とは、相続を原因として相続人に引き継がれることになる財産のことを指します。相続財産には、動産（現金や預金、有価証券等）、不動産（土地や建物等）などプラスの財産（資産）が含まれます。 また、亡くなった人が債務を抱えていた場合は、その債務（負債）も相続財産に含まれます。 相続財産は、原則として、法律で定められた順位に従い、配偶者、子供、父母、兄弟姉妹などが相続します。配偶者は常に法定相続人です。配偶者のほかには、子供がいれば子供が、子供がいなければ父母が、父母もいなければ兄弟姉妹が法定相続人になります。先に子供が亡くなっていた場合や、兄弟姉妹が亡くなっていた場合は、その子供が法定相続人になることもあります。遺言書が作成されていた場合は、法定相続とは異なる取扱いをすることが可能です。相続財産には高額な財産も含まれることがあり、相続人間での意見対立や法的手続きが必要になることもあります。このような場合には、信頼できる弁護士に相談することが大切です。

不動産を相続することに伴って、多くの法的手続きが必要になることがあります。遺産分割協議書や相続税申告書等の書類を作成したり、相続を原因とした登記したりすることが考えられます。相続人が多数いる場合は、不動産の取得やそれに代わる代償金を巡って意見が対立し、遺産分割協議がまとまらないこともあります。その場合は、家庭裁判所において遺産分割の手続きが必要になります。また、遺言により不動産を特定の相続人に相続させた結果、最低限度の相続分である遺留分を侵害してしまうことがあり、そのような場合には、遺留分を侵害された相続人は、不動産を相続した相続人に遺留分に相当する金額を請求することが可能です。弁護士は、専門的知識・経験に基づき、不動産相続に関する紛争を取り扱うことができます。弁護士に相談することで、適切な手続きを進めることが期待できます。相続人同士でトラブルが起きた場合に、弁護士が間に入ることで円満に解決できることもあります。不動産相続には多くの専門知識が必要です。弁護士に相談することで、確実な手続きを進めることができますので、ぜひお気軽にご相談ください。

不動産相続を進める上で、不動産の金銭的価値を評価することは避けて通れない問題です。不動産価格の評価を巡っては、公示価格、基準地標準価格、固定資産税評価、路線価など様々な指標があります。また、不動産価格の鑑定手法も、原価法、取引事例比較法、収益還元法といった複数のやり方があります（多くの事例では、こうした複数の鑑定手法を事案ごとに適切な割合で加味して算定します。）。遺産分割や遺留分が問題となる場面と、相続税が問題となる場面では、用いるべき指標が異なります。また、遺産分割や遺留分が問題となる場面では、事案ごとにどのような鑑定手法を用いるのが適切と考えるか、立場によって見方が異なる場合もあります。専門家の助けを借りて場面に応じた適正な評価を行うことが望ましいでしょう。弁護士に相談することで、必要に応じて、税理士や不動産鑑定士といった専門家の紹介を受けたり、専門家チームを組んで対応してもらうことも可能です。

主要な相続財産が不動産であり現預金が少額しかない相続のケース、賃料収入が見込める不動産で複数の相続人がその不動産の取得を希望している相続のケースなどでは、遺産分割協議において不動産の取扱いに困難をきたすことがあります。遺産分割には、①現物分割（相続財産の現物を分け合う方法）、②代償分割（金銭的に相続財産を多く取得する相続人が他の相続人にお金を払って金銭的に公平になるよう分け合う方法）、②換価分割（相続財産を売却してその代金を分け合う方法）、④共有分割（複数の相続人でひとつの相続財産を共有して分け合う方法）といった分割方法があります。どのような分割方法が適切か事案ごとに異なります。弁護士は相続問題の専門家として、不動産の分割に関する問題を解決するために適切なアドバイスを提供します。相続人同士に対立がある場合にも、弁護士が適切な解決方法を提案し、円満な協議ができるようにします。 弁護士のアドバイスを受けながら、適切な分割方法を検討し、円滑な協議を行うことが大切です。